MBA501(Foundations of Business I,8月下旬~10月上旬)
以下の必修科目を履修します。Foundations of Businessの名の通り、その分野で「常識」とされている知識をカバーすることを目標にカリキュラムが設定されています。ケースの使用量は控えめですが、501の期間中、固定メンバーにてグループワークをこなすこともあり、かなりチームワークに重点を置かれたカリキュラムです。
- Accounting Ⅰ
基礎コースですが秀逸でした。クラスメート100人満場一致で501のベスト科目です。仕訳や会計ルール、財務分析の基本を学ぶのですが、非常に分かりやすく教えてくれる上、米国基準と国際会計基準の違いはもちろん、質問すれば、日本とはどう違うかも教えてくれます。また、さらりと分かりやすく、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書の連動の仕組みと、貸借の合わせ方のポイントを解説してくれます。若手の頃にこの授業を受けていたら、深夜や明け方に予測財務諸表の貸借が合わずにエクセルと格闘する時間は随分減っただろうな、と若干遠くを見る目にさせてくれる授業でした。もちろん米国会計の基礎を英語で学べるメリットは金融系のお仕事をされている方にも大きいと思います。(Prof Trotman/Class of 2011)
会計の基本をおさえるコースでした。オーストラリアなまりの英語に序盤では若干苦労しましたが、説明自体は上手く、どのようにして1つ1つの会計仕訳からB/S, P/L, C/Fが出来上がるのか、そしてそれをどう分析するのかを網羅的に理解するにはうってつけの授業だと思います。 (Prof Trotman/Class of 2016)
- Data Analysis
解説は丁寧ですし、補講もやってくれますが、やはり量が多すぎ、かつ英語、統計は証券アナリスト試験で10年前にちょっとやっただけ、の3重苦でチームに貢献するどころかコンピュータサイエンス専攻のアメリカ人に教えてもらっていました(彼の英語が聞き取れない時は、プライドを捨てて筆談)。ただし、配布資料もよくできているので、後々まで役に立つ授業だと思います。(Prof Paleker/Class of 2011)
Standard distribution, t-test, regressionなど統計の基礎を学ぶ授業です。後になって気づくのですが、この授業で習ったことがデータ分析系の授業でのベースとなるためしっかり理解しておくことが大切です。(Prof Kwon/Class of 2016)
- Economics
内容は基本的なミクロ経済学ですが、宿題が全てチームでの提出になります。私も含め、ミクロ経済を勉強した経験がない学生もいれば経験のある学生もいる中での作業ですが、どのチームも、ミクロ経済の勉強経験のある学生が、チームメイトが理解するまで徹底的に付き合って説明している姿は大変美しく、これぞ、チームワーク!と思わせてくれました。(Prof Arnould/Class of 2011)
基本的な経済学を網羅的にカバーしていくのですが、授業の前にオンラインでビデオを視聴しクイズを解いたうえで実際の授業に参加するという形で行われ、予習復習がハードでした。指導教官はDeanのBrown教授なのですが、White houseにアドバイザーとして勤務していた経験もあるエコノミストで、授業内容は基本なものであっても授業中のコメントや説明は秀逸でした。(Prof Brown/Class of 2016)
- Marketing Ⅰ
教科書はあまり使わず(買わせるなよ)、毎回、ケースを読んで、自分でWrite UP(題材企業の問題、提案と具体的なアクションプランをまとめる)を書き上げた上でクラスで議論する形式です。クラスメートの意見に対して、「いや、私はこう思う」、「僕は彼女に賛成」とかいう具合に議論が発展していくあたり、議論好きなアメリカらしい授業です。日本人がマシンガントークで議論に入るのは厳しいですが、「量より質」作戦でいっても十分評価されますのでやりがいはあります。先生はビリー隊長そっくりです。 (Prof Hayden/Class of 2011)
授業の前に、1.ケースを読む、2.チームディスカッションをする、3.Write upを書くという一連の作業を行う必要があるため、とても労力を要するクラスです。授業中も終始ディスカッションで進められるため、慣れが必要です。(Prof Hayden/Class of 2016)
- Leading People & Organizations
2009年とは先生が変わり、上記のようなアカデミックな内容から、ケースやゲームを通じて組織運営において必要な物の考え方。(情報共有や他人の意見の重要性、ルール違反への対処、交渉の進め方等)を学ぶ授業になりました。教授は気さくな髭のおじさんで、学生の人気も高いのすが、博士号はStanfordで、複数のトップビジネススクールでVisiting Professorとしても教鞭をとる、実は、中々の大物だったりします。(Prof North Ctaft/Class of 2011)
いかにしてリーダーシップを発揮し社内調整や外部との交渉に当たるかについて、ロールプレイングを通じて学んでいく授業です。例えば、情報共有が制限された状況の中で全社最適になるような社内振替価格をいかにして決定するか各部門にわかれて部門間交渉を行うケース、また経営層と労働組合に分かれて労働条件に係る交渉を行うケース等各ケースの出来がとてもよく、大変充実した授業でした。(Prof Northcraft/Class of 2016)
MBA502(Foundations of Business II,10月中旬~12月中旬)
MBA501で学んだビジネス基礎知識を発展させた形で、Accounting, Marketing, Organizational Theory and Design, Manufacturing and Service Processes, Management Communication の5科目からなる必修科目を履修します。
501からいきなりレベルが上がります。内容的には2010の方のコメント通りですが、今年については、トムソンロイターの統合のケース等、M&Aに絡んだものが多い点と、米国会計基準と国際会計基準の比較にも時間を割いている点があげられるでしょうか。この辺りは時代の流れを考慮した内容になっているのだと思います。ビジネススクールというと、最新の動向からどうしても現場より遅れてしまうということがよく言われますが、毎年ケースを作っているだけあって、しっかりしたものです。先生が熱心であることに加え、イリノイは米国の会計学会の中心であること、大手監査法人との関係も強いこと、等が影響しているのでしょう。他のケースもメリルリンチが行き詰る要因となった証券化商品の仕組み等です。もちろん、ゼロックスやマイクロソフトの損益修正等、過去の有名な事例も学びます。(Prof. Sandretto /class of 2011)
在庫の価値昇華や将来予測(Tesla社の事業予測等)など実際の経営における会計実務に焦点を当てた授業でした。Accounting Ⅰとは格段にレベルが上がり、今後のキャリアで役立ちそうな事柄を学ぶことが出来ました。(Prof Sandretto/Class of 2016)
501と基本的には同じです。医薬品会社のオンラインマーケティングシミュレーションゲームをやることが大きな違いでしょうか。STPや4Pに従って戦略を立案し、売上、利益、株価を競います。みんなで楽しめますが、まあ、ゲームです。(Prof. Hayden/Class of 2011)
MBA501と内容は同じで、過去と同様にマーケティングシミュレーションゲームがあり、企業価値が最大となるようなマーケティング戦略を立案するものがあります。(Prof Hayden/Class of 2016)
事例をベースに組織の形態とメリット・デメリットをディスカッション形式で学びます。事例が面白いので宿題のリーディングが比較的苦になりません(グーグル、エンロン、GM、ソニー、49ers等)。エンロンは、ちょうど彼らが破綻した時に僕は証券アナリストでしたので、その当時の市場の話をすると、同級生から「その時私高校生」とか言われてややショックを受けました。(Prof Kraatz/ Class of 2010)
リーディングの量が膨大で、授業にてどのように考えたかを延々議論するといった内容の授業です。最近の事例が取り上げられるので、内容は興味深いのですが、いかにして効率的に要点をつかみ、自分の意見を形成するところまでもっていくかがこの授業のカギです。(Prof Kraatz/Class of 2016)
インド人ですが発音のきれいな先生です。ムリ・ムダ・ムラやシックスシグマ等を抑えていきます。説明はとにかく丁寧でみんなの疑問がなくなるまで根気よくやってくれるナイスな先生です。(Prof Anand/ Class of 2011)
Quality control, supply chain management, lean operations, inventory management, six sigma, bottlenecks等オペレーションの基礎について学ぶ授業です。わかりやすく、人気の教授です。(Prof Anand/Class of 2016)
面白いのはアメリカ人にもやっぱりプレゼンの得意な奴と苦手な奴がいるということでしょうか。なお、毎回の宿題で、経営者向けのレポートや、プレスリリース等を自分で書いて提出するのですが、驚くほど文法で減点され、自分の英語がいかに米国人にとって奇妙な言い回しなのかを実感させられます。よくエッセイ読んでくれたなとかTOEFLのWの25点のGoodって外人にしては「まし」という意味か等考えてしまいました。先生はハウルの動く城の荒地の魔女そっくりです。(Prof Rybka/ Class of 2011)
前期と異なり、かなり実務に近いケースをやります。例えば、「食中毒で死者が出た会社の広報役」として、未確認情報だらけの中で、何をマスコミ向けに会見すべきか?など、かなりリアリスティックなものが多いです。(Prof Rybka/ Class of 2010)
チームでビジネスを考えてベンチャーキャピタル向けに出資を依頼するプレゼン、公害対策での住民とのコミュニケーション、等。公害対策や食中毒事件の事例では対策の方針に結構国民性が出て面白い授業です。(Prof Rybka/ Class of 2011)
成績のつけ方がとても厳しく、生徒からはあまり人気のない先生ですが、授業内容としてプレゼンの仕方、外部向けのレポートの書き方等今後のためになりえるものです。コースの最後にはプレゼン大会があり、外部から呼んできたベンチャーキャピタリストが審査するというもので、白熱しました。(Prof Rybka/Class of 2016)
- Accounting Ⅱ
501からいきなりレベルが上がります。内容的には2010の方のコメント通りですが、今年については、トムソンロイターの統合のケース等、M&Aに絡んだものが多い点と、米国会計基準と国際会計基準の比較にも時間を割いている点があげられるでしょうか。この辺りは時代の流れを考慮した内容になっているのだと思います。ビジネススクールというと、最新の動向からどうしても現場より遅れてしまうということがよく言われますが、毎年ケースを作っているだけあって、しっかりしたものです。先生が熱心であることに加え、イリノイは米国の会計学会の中心であること、大手監査法人との関係も強いこと、等が影響しているのでしょう。他のケースもメリルリンチが行き詰る要因となった証券化商品の仕組み等です。もちろん、ゼロックスやマイクロソフトの損益修正等、過去の有名な事例も学びます。(Prof. Sandretto /class of 2011)
在庫の価値昇華や将来予測(Tesla社の事業予測等)など実際の経営における会計実務に焦点を当てた授業でした。Accounting Ⅰとは格段にレベルが上がり、今後のキャリアで役立ちそうな事柄を学ぶことが出来ました。(Prof Sandretto/Class of 2016)
- Marketing
501と基本的には同じです。医薬品会社のオンラインマーケティングシミュレーションゲームをやることが大きな違いでしょうか。STPや4Pに従って戦略を立案し、売上、利益、株価を競います。みんなで楽しめますが、まあ、ゲームです。(Prof. Hayden/Class of 2011)
MBA501と内容は同じで、過去と同様にマーケティングシミュレーションゲームがあり、企業価値が最大となるようなマーケティング戦略を立案するものがあります。(Prof Hayden/Class of 2016)
- Organizational Theory and Design
事例をベースに組織の形態とメリット・デメリットをディスカッション形式で学びます。事例が面白いので宿題のリーディングが比較的苦になりません(グーグル、エンロン、GM、ソニー、49ers等)。エンロンは、ちょうど彼らが破綻した時に僕は証券アナリストでしたので、その当時の市場の話をすると、同級生から「その時私高校生」とか言われてややショックを受けました。(Prof Kraatz/ Class of 2010)
リーディングの量が膨大で、授業にてどのように考えたかを延々議論するといった内容の授業です。最近の事例が取り上げられるので、内容は興味深いのですが、いかにして効率的に要点をつかみ、自分の意見を形成するところまでもっていくかがこの授業のカギです。(Prof Kraatz/Class of 2016)
- Manufacturing and Service Processes
インド人ですが発音のきれいな先生です。ムリ・ムダ・ムラやシックスシグマ等を抑えていきます。説明はとにかく丁寧でみんなの疑問がなくなるまで根気よくやってくれるナイスな先生です。(Prof Anand/ Class of 2011)
Quality control, supply chain management, lean operations, inventory management, six sigma, bottlenecks等オペレーションの基礎について学ぶ授業です。わかりやすく、人気の教授です。(Prof Anand/Class of 2016)
- Professional Communication
面白いのはアメリカ人にもやっぱりプレゼンの得意な奴と苦手な奴がいるということでしょうか。なお、毎回の宿題で、経営者向けのレポートや、プレスリリース等を自分で書いて提出するのですが、驚くほど文法で減点され、自分の英語がいかに米国人にとって奇妙な言い回しなのかを実感させられます。よくエッセイ読んでくれたなとかTOEFLのWの25点のGoodって外人にしては「まし」という意味か等考えてしまいました。先生はハウルの動く城の荒地の魔女そっくりです。(Prof Rybka/ Class of 2011)
前期と異なり、かなり実務に近いケースをやります。例えば、「食中毒で死者が出た会社の広報役」として、未確認情報だらけの中で、何をマスコミ向けに会見すべきか?など、かなりリアリスティックなものが多いです。(Prof Rybka/ Class of 2010)
チームでビジネスを考えてベンチャーキャピタル向けに出資を依頼するプレゼン、公害対策での住民とのコミュニケーション、等。公害対策や食中毒事件の事例では対策の方針に結構国民性が出て面白い授業です。(Prof Rybka/ Class of 2011)
成績のつけ方がとても厳しく、生徒からはあまり人気のない先生ですが、授業内容としてプレゼンの仕方、外部向けのレポートの書き方等今後のためになりえるものです。コースの最後にはプレゼン大会があり、外部から呼んできたベンチャーキャピタリストが審査するというもので、白熱しました。(Prof Rybka/Class of 2016)
MBA503 (Principles and Processes of Management I,1月中旬~3月上旬)
この学期から必修科目と選択科目の2種類の授業が展開されます。
503では必修3科目+選択2科目、504では必修2科目+必修3科目という配分になります。
- Ethical Leadership
- Strategic Management
Five ForcesやSWOT等の基本的な理論に加え、効率的な提携戦略やM&Aの活用手法、技術面でのInnovationの起こし方等をケース、レクチャー、ゲストスピーカーの講義等から学びます。教授はカリフォルニアなまりで早口のおばさまで、聞き取りに苦労しますが、資料はポイントを的確についたもので、よくできていますし、彼女はアントレで有名な先生(自分でも商売をやっていた)なのですが、ベンチャーから大企業まで企業の状況に応じて、どのような戦略をとりうるのか、を簡潔に教えてくれます。(Prof Bercovitz/Class of 2011)
Five forces, SWOT, vertical & horizontal integrationなど企業戦略策定の際に必要な分析手法を学ぶ授業です。ケース中心の授業で、どのような分析をし、戦略を選択するかは各人異なるためディスカッションはとても有意義なものとなります。(Prof Michael/Class of 2016)
- Finance Ⅰ
ファイナンス理論の基本コンセプトを学びます。NPV、IRR等、多くの方が聞いたことがあったり、業務で使ったりしている内容について、「事の本質」を英語で分かりやすく解説してくれます。こういった多くの方が分かった気になっていたり、分かったふりをしている内容を丁寧に、かつファイナンス理論の本場で、その国の言葉で学べるというのは中々意義深いことだと感じました。(Prof Kanann/ Class of 2010)
ファイナンスの基本を学ぶ授業で、概念や計算方法を理解するとともにファイナンス専用の電卓に慣れる必要があります。(Prof Kanann/Class of 2016)
MBA504 (Principles and Processes of Management Ⅱ,3月中旬~5月上旬)
- Finance Ⅱ
上記の内容に加え、2項モデルやリアルオプションでのオプション価値の計算や、自分で銘柄を選んでの最適ポートフォリオの構築等を行います。内容的には基本的なものですが、ファイナンス系の仕事をされていた方であれば、見落としがちな基本事項の再確認、ファイナンス業務の経験がない方にとっては、必須事項を本場米国で英語で学べるクラスです。教授はFinance 1と同じですが、非常に熱心かつ、説明もクリアーな人で、ファイナンスの経験がなかった学生からの評判も上々の先生です。(Prof Kanann/Class of 2011)
- Global Strategy
2009年と教授が変わり、授業のスタイルも大きく変わりました。ドイツからよんできた先生で、ヨーロッパの先生らしく、レクチャー中心に国際化していくための留意点やメリットを実例を交えつつ解説してくれました。説明は簡潔で分かりやすく、また、事例も欧州の企業が多かったこともあって新鮮で、一見退屈に見えるレクチャー形式の授業にも拘わらず、楽しめました。(Prof Clougherty/Class of 2011)
経済学の観点からビジネスの国際展開に関して焦点を当てる形で授業をすすめる教授です。授業ごとに様々な国において展開している企業のケースを取り扱っているので、視野が広がるとともにディスカッションでは各国の特色に富んだコメントを聞くことが出来るため面白いです。(Prof Clougherty/Class of 2016)