自動車の購入について
Urbana-ChampaignはMTDのバスサービスが充実しているとはいえ、例にたがわず車社会の街です。ですから、車の購入はほとんどの皆さんが、日本からきてまだこちらに慣れない間に経験されることになるとおもいます。車を購入する上での一般的な留意点をご説明させていただいた後で、 ディーラー経由の購入のケース、個人売買による購入のケースについてご紹介させていただきます。
購入方法と値段
車の値段ですが、これは買い方次第で大きく左右されます。イリノイ大学周辺でもディーラーだけでなく、インターネットや学生同士の個人売買も盛んです。街の喫茶店や食堂、寮の掲示板などで個人セールの広告をよく見かけます。一方、ディーラー経由で買うと個人売買にくらべ割高になりますが、事故車など、一見しただけではわからないクオリティの欠損に対する安心料ととらえることができるでしょう。もちろん、ディーラーや扱っている車に大きく左右されますが・・・。問題のある(可能性のある)車をGuaranteeなしでやすく売っているディーラーもある一方、Guaranteeをつけるかわりプレミアをつけて売っているディーラーもあります。
情報収集
まず、使用目的、予算などを考慮の上 まずは車種、年式、走行距離、価格の情報をCarpointやEdmundsなどのインターネットのホームページで検索、情報収集するのが一般的です。それらのデータのほかにもTrade-in価格やDealer価格を参考にすると大体の相場価格がつかめ交渉時に利用することができます。個人売買ではホームページ、新聞の広告や友人の紹介など、あらゆる情報源を有効に利用しましょう。
アメリカの車マーケットの特徴
一般論として、中古車が日本に比べると非常に割高であるということです。日本では想像できないほど高いです。アメリカでは、10万キロオーバーをもつ車が中古車として売られているのは当たり前です。日本の感覚で5万キロ以内などという条件で中古車を買おうとすると新車とあまりかわらない価格を提示されることもままあります。逆に言うと、新車を購入して卒業時に売却する時、車種にも左右されますが日本ほど急激に減価することもないと言えます。
但し、大学周辺にあるディーラーに売却する時には、特に外国人の場合、帰国のため売却を急いでいると足元を見られる場合も多いこと、また供給過剰の時期が重なることことなどが理由で思った価格でなかなか売却することは難しいようです。
日本車の中古需要は特に高く、その中でもToyota, Hondaは日本では信じられないような高値で取引されています。つまり、日本車の中古車は国産に比べて値段が落ちにくいといえます。やはり日本車の品質に対する信頼感が非常に高いためでしょう。新車を買うのであれば、帰国時の売却を考え、値落ちの遅いToyota, Honda, VW等をお勧めします。1年、2年落ちのToyota、Honda車はお勧め出来ません。1~2年落ちならFordが良いでしょう。ちなみにBig3の中ではFordの品質が一番良いといわれています。
購入をせずに2年間のリース契約をするという方法もありますが、リース契約は年間に運転できる走行距離などに制限があり、返すときに傷、凹み等があるとさ らに追加価格を請求される可能性がある(ディーラーによっては因縁をつける所あり)あまりお勧めできません。特に2年リースは値がはります。
価格と品質
アメリカでは、新車から明日にでも壊れそうな車まで何でも売っています。したがって、特に中古車を購入する場合、その品質と価格の大体の対応をしっておく ことはとても大事です。これは、車の大きさやメーカーにもよってきますが、2000CCクラスの標準的な車をディーラー経由で購入する場合は、大体10,000ドルを超えていればまず問題ないと思っていいのではないかと考えています。例えば、私は、Saturn SL1 (1800CC)を3万マイル(約4.8万キロ)走行済みの中古で購入しましたが11,000ドルでした。こういった日本でも標準的な中古車の基準で、 FordなどのBig3系であれば、13,000ドル程度、ホンダやトヨタなどの日本車であれば、15,000ドル程度です。ちなみに、日本人がよく買うトヨタのカムリやホンダアコード・CRVあたりでは、価格は大体22,000ドル程度です。
(これらの数字は、2000年度の在校生の経験によるものです。皆さんも車を購入する時は、ウェブページなどの情報収集の上、さらに面倒でもディーラーを回って自分の目でしっかり確かめてから購入して下さい。)
新車?中古?
お金に余裕がある人、もしくは絶対安心感を買いたい、という人は新車をお勧めします。米国では3年/36,000マイル新車保証が一般となっており、その 範囲以内で不具合が生じた場合は最寄の正規ディーラーで無料で直してくれます。1年~2年落ちの中古車を購入したとしても走行距離が36,000マイル以 内であれば無料で直してくれます。すこしでも安いのがいい、という方は2年生に打診するか運を天に任せてアメリカ国産車の中古を購入するといった方法もあ ります。国産車の中古はハッキリ言ってとても安いです。 サターンなどは国産車の割には壊れないのでスタイルが気にならない人にはお勧めかもしれません。 どちらにせよ売るときのことを考えて購入してください。多オーナーな車は買うのを避けましょう。車両番号(VINナンバー)があれば確認できます。ホームページ(www.carfax.com)でNumber of Records(車両登録回数)を無料で調べることができ、その詳細も20ドルを支払うと確認できます。(なお、輸入車は一度アメリカの港に入港した時点 で1とされるので、1オーナー車でも車両登録回数は2回となる。)
アメリカはとにかく車社会の国なのでポルシェ、ベンツ、BMWなど捜せば良いコンディションの中古車が沢山でまわっています。 希少車も沢山有ります。余談になりますが、新車でポルシェ、ベンツなどを買い、卒業後に日本に持って帰るってこともできます。輸送費を考えても割安です。
車両登録
ディーラーに行くと車両登録(1年更新)の書類などの手続きは全てやってくれます。 もちろん有料。おまわりさんに御用された時には免許証、車両登録証明、自動車保険加入証明の提示をもとめられます。どれか1つでも無いと罰金を取られるので気を付けましょう。ここでは余談になりますが、飲酒運転は絶対止めましょう。アメリカではMADDなどの飲酒運転反対のグループ、ロビーイングが頻繁に行われており、飲酒運転で捕まるととんでもない事になります。初犯でも警告や注意などのWarningはまったくなく、いきなり一晩のお泊りとなります。もちろん多額の罰金は触れる必要も無いでしょう。知人でお泊りになられたのが3名程居ますが2年経過した現在も裁判などでもめています。
個人売買で車を買った場合、車両登録はDepartment of Motor Vehicleに(免許証試験を受けるところ)行けば本当に簡単にできます。ディーラーを通すより安く、税金がうんと割安になります。例えば、$20,000の車を購入した場合ディーラーを通すと、州税率7.25%(2001年6月現在)の$1,450支払いますが、個人売買だと$1,000位 で済みます。個人売買時に支払う州税はその車の車両価格や車両生産年度によって異なり、古ければ古いほど割安になります。確か5年落ちだと一律で数百ドルだったような・・・。
ナンバープレートには色々なBackgroundがあり、一般のタイプ(番号がRandomのコンボ)、一般のタイプを番号のみPersonalizeし たタイプ(例. T Yamada1) 、イリノイ大学タイプ、イリノイ州立大タイプ、州立公園タイプなど等があります。ディーラーで登録すると車両登録の書類を全てやってくれるので便利なので すが、一般タイプ/一般Personalizeタイプしか選ぶことが出来ません。大学のナンバープレートをお土産に持って帰りたい方は1年目は一般タイプ で我慢し、更新時にDepartment of Motor Vehicleに行けば変更できます。
ディーラー経由の購入
(1) ディーラー
新車・中古車を扱う正規ディーラー、リース落ちの車を扱う中古車専門店のCarMaxやAutoNation、見るからに怪しいディーラーなど色々ありますが、いうまでも無く怪しそうな所は止めましょう。値は張りますがやはり新車を扱う正規ディーラーは安心でき、中古車も良い玉が揃っていますので、 値段が多少高くても、正規ディーラーで購入されることをお薦めします。
アメリカは、車社会ですから“壊れるまで乗る“という文化です。したがって、多少エンジンなどの目に見えない部分に問題があっても平気で売っています。これは詐欺というより、安く買って自分でメンテナンスすればいいという考えが売り手にも買い手にもあることが背景にあるのだと思います。日本人の場合、ただでさえ、英語が弱い上に、車のメンテナンスに関する知識も乏しいのが普通ですから、信頼できてアフターケア体制も整っている正規ディーラーで購入するのがベストの選択であろうと思います。
ただ、正規ディーラーと一口にいっても、カスタマーサービスのレベルもまちまちです。車が良く売れるToyotaやHondaデイーラーはおおよそ偉そう にしてます。Chicago近辺のディーラーに行くと日本人のセールスマンがいる(Japan Auto Service など)ところもあり、そういったところをとおして購入される方も多いです。
(2) ディーラーと値引き
アメリカでも、車を購入する時の値引き交渉は存在します。外国人とみるととんでもない値段を吹っかけてくるところもあります。新車の窓に張ってある通常 メーカー希望価格はあくまでも「希望価格」なので全額払う必要はまったくありません。あくまでもその価格からの交渉となります。ただし、人気車種 (Audi TT、M3、M5等)はプレミアが付くほどになっているので無駄な抵抗は止めましょう。VWなどほとんど安くしてくれない(500ドル位)そうです。
CarMaxやAutoNation は2~3年リース落ちの車を扱う専門店で、コンディションが良い中古車をリーズナブルな値段で購入できます。さらにサターン社と同じでOne Price for Everybodyといったマーケット手法であるため、値段の交渉をする必要もありません。
より多くの値引きを引き出す為の戦略は皆さん個人個人によるのでしょうから、ここでは省きますが、日本と同じで、絶対買うという姿勢を丸出しにして行った ら、売り手の方は、当然高く売りつけようとしてきます。ですから、新車にしても中古車にしても、とにかく色々回ってみて、交渉に有利な情報を集めてくるこ とが第一です。また、大学周辺のディーラーは学生の購入が多くなる7月から8月にかけては、ディーラーも“売り手市場“ということを認識していて足元を見 てくる傾向にあります。一般的に、この時期に関しては、Chicagoなどの大学周辺以外の町で購入された方が安くなります。このことは、最終的にディーラーに買い取らせる場合も同じ事が言えるでしょう。
(3) 支払方法
米国でCredit History(個人の信用度、信用等級、格付け)が全く無に等しい留学生は車両購入価格全額を一括で支払うことになります。
個人売買
(1) 売主との交渉
情報収集に関してはディーラー売買と個人売買はほとんど同じですが、実際の交渉時では信頼できるディーラーとは違って売主によっては車の状態などがまちまちなため、車関係に強い方を同伴されることをお勧めします。受け渡し方法なども交渉次第ですが、交渉成立後すぐに乗って帰れます(日本のように煩雑な事務手続きはありません)。ただし、保険加入が義務付けられているためすぐに乗って帰るためには保険に加入していなければなりません。車種やVINナンバーがわかれば、その場で電話とFAXで保険会社とやり取りをして、すぐに保険には加入できます。支払いは金額が大きくなる場合は、銀行発行のチェックを用意したほうが良いでしょう。通常、ディーラーでは仮ナンバー(ペナペナの紙)がすぐに発行されますが、個人売買ではタイトル変更までに時間がかかるためすぐにナンバーは取得できません。しかし、売買成立後10日間は無ナンバーでも問題ないようです。タイトル変更の手続きやナンバー申請はすべて免許センターで取り扱っています。個人売買を利用するのに手っ取り早い方法は、卒業をむかえるIllinois MBA 2年生に連絡を取り(信用できる人かどうかの確認も忘れずに)売ってもらうことでしょう。
(2) 個人売買のメリット
個人売買のメリットはやはり中間マージンの削減でしょう。
自動車保険について
車のタイトルの登録には、自動車保険は必要ありませんが、実際に運転するときには、自動車保険が必要です。アメリカの自動車保険会社は基本的に日本での運転歴を考慮してもらえないので、保険料は高くなることが多いです。そこで、日本での運転履歴を考慮してもらえる在米日本人向けに自動車保険を提供している会社(LGISなど)があり、もしものときも日本語で対応してもらえるのでおすすめです。