学長(Dean)インタビュー
Class of 2011の日本人学生3人により、イリノイMBAのAssociate DeanのMr. Stig Lanesskog(09年7月就任)にイリノイMBAの強みや求める人材、今後の展望についてインタビューをしました。なお、当インタビューについては、イリノイMBA日本人向けHP(本ページ)向けの取材である旨、学長には趣旨を理解していただいた上で掲載しておりますが、イリノイMBAとしての公式見解については公式HPの情報を参照いただくか、個別にお問い合わせください。(情報についてはインタビュー時点(2010年11月16日現在)に基づいたものです)
イリノイMBAの強みは何か?
-イリノイMBAの強みはどのようなところにあるでしょうか?
まず1つ目の強みはなんといってもその柔軟性(Flexibility)にあるでしょう。イリノイMBAはファイナンスやマーケティングといったビジネス関係だけの講義のみではなく、ビジネス以外の単位についても卒業単位として認定しています。学生自らがイリノイ大学全体の豊富なリソースをつかって、自由に自分だけのカリキュラムをつくることができます。エンジニアリングやライブラリーサイエンスなど世界的にもトップクラスの学部をもっているイリノイ大学ならではのアドバンテージのひとつといえるでしょう。
2つ目として挙げられるのは、Experiential Learningの機会です。学生自らが実際のビジネスに近い場面で学ぶことができる、ということです。例えばIBC(Illinois Business Consulting)を活用して実際にコンサルタントとしての経験をつむことができます。近年はGlobal Projectに力を入れており、直近の例を挙げるならインドでのグローバルコンサルティングプロジェクトなどを行っています。インド以外にも、中国やブラジル等、成長中で影響力の大きな国での経験を積むことができる機会を提供しています。
3つ目としてはCSR(Corporate Social Responsibility)関連が挙げられるでしょうか。イリノイMBAでは、学生が中心となってサウスダコタの人たちと共同で、ビジネスを通じてどのようにしてQuality of Lifeを向上させることができるか、というテーマに取り組んでいます。コンサルティングといっても、企業向けのコンサルティングだけではなく、NPO関連の取り組みも実施しているところは他のプログラムと比べても大きく異なるところだと考えています。
もうひとつ、特筆すべき点はやはり多様性(Diversity)でしょう。Class of 2012を例にとると100人というクラスサイズの中で16カ国の人たちが集まって勉強をしています。アメリカに勉強をしに来たとはいえ、アメリカのビジネスだけではなく、アジア以外にも、コロンビアやナイジェリアなど、世界中から集まった多様な学生から、各国の状況や価値観を学ぶことができます。
- IBCについてもう少し詳しく聞かせてください。IBCでは具体的にどのようなことを学ぶことができますか?
なんといっても一番のアドバンテージはケーススタディと異なり実際のビジネスを肌で感じることができることです。ケースも質問もない曖昧な状況のなかで、問題を明らかにして解決策を立案する、そして、顧客と良好な関係を築き、正しい方向に顧客が進めるようにサポートする、という点についてはクラスの中だけでは学ぶことが難しい内容だと思います。また、IBCは学生が中心になって、組織の重要な役割をになっていることもあって、リーダーシップを発揮する場面も多く、多様な人材をどのようにしてまとめていくか、についても自ら考えて、行動することを実戦の中で学べる点もIBCのアドバンテージのひとつだといえるでしょう。もちろん、コンサルティング業界でのキャリアを希望する学生にとっては、よい訓練であると同時にインタビューではIBCの経験も有力なアピールの材料となることは間違いありません。
(注:Stig自身、Dean就任前は約20年間コンサルティング業界で仕事をしてきたこともあり、自ら積極的にIBCの運営に関与し、IBCの質の一層の向上に尽力しています。また、IBCはボランティアではなく、実際に企業からフィーをもらって活動していますので、本当にプロフェッショナルとして働くことが要求されます。)
イリノイMBAとして学生に期待することは?
- イリノイMBAに入ってくる学生に対して、特に日本人の学生に対して期待することはどのようなことでしょうか?
ありきたりな内容かもしれませんが、日本のビジネスの現場で、今何が起こっているのかをクラスメイトと共有してもらうことです。特にイリノイMBAの強みの一つである多様性を活かすためにも、一人ひとりの学生が自国の政治、経済、文化の特徴や自分の経験をクラスメートにシェアしていくことがお互いの学びを深めるためにも、極めて重要なことだと考えています。クラスでも日本の企業の事例を扱うこともあり、そのような場面で実際の日本でのビジネスの文化や価値観などをクラスメートに共有することは、より実践的な知識を身につける上でも意義深いことだと考えています。
- 具体的に求められるスキル、というとどのようなことがあるでしょうか?
特にインターナショナルの学生についてはアメリカ人の学生に比べて長め、具体的には4年以上の職務経験をもっていると大変望ましいと考えています。現時点では、来年のクラスサイズについては今年よりも少し大きくして135人、うちインターナショナルの学生については55人程度に入学してもらえればと考えています。特にスキルという面では対人関係スキル(Interpersonal Skill)を重要視します。これは、自分の経験や考えをクラスメートに伝えていく上では欠かせないスキルです。もちろん英語力、特に自分の意思を伝える力は重要です。もし、学生が、アメリカで就職することを考えている場合、この点は特に重要です。英語力、といっても単純にTOEFLの高得点を求めているわけではなく、対人関係スキルを最大限に発揮するために必要な英語力が求められていると考えてください。もちろん、英語力についてはESL(English as a Second Language)のクラスを活用するなど、イリノイ大学らならではのアカデミックリソースを使ってそれをサポートするような仕組も用意してあります。
- 選考過程で特別に重視する内容はあるでしょうか?
先ほども話した対人関係スキル(Interpersonal Skill)や英語でのコミュニケーション力を見るためにも、専攻課程においては特にインタビューに重点をおいています。昨年から通常のインタビュー(Behavioral Interview)に加えてケースインタビュー(Case Interview)も実施しています。この2つのインタビューを組み合わせることで、これまでの自己の経験をどのようにして伝えていくことができるか、またより戦略的思考をもって物事を判断することができるか、といったことを見ていきます。インタビューについてはOn-Campusが基本です。時間や費用のためにやむを得ない場合についてはSkypeを用いたビデオインタビューも実施していますが、やはりこちらにきてインタビューを受けることをおすすめします。理由はイリノイMBAのもつ豊富なリソースに触れてもらう最良の機会がクラスビジット、キャンパスビジットであり、Web等で得られる情報に加え、学校の雰囲気やライフスタイルなどの情報を自分の目で確かめることが出来る機会になるからです。
ありきたりな内容かもしれませんが、日本のビジネスの現場で、今何が起こっているのかをクラスメイトと共有してもらうことです。特にイリノイMBAの強みの一つである多様性を活かすためにも、一人ひとりの学生が自国の政治、経済、文化の特徴や自分の経験をクラスメートにシェアしていくことがお互いの学びを深めるためにも、極めて重要なことだと考えています。クラスでも日本の企業の事例を扱うこともあり、そのような場面で実際の日本でのビジネスの文化や価値観などをクラスメートに共有することは、より実践的な知識を身につける上でも意義深いことだと考えています。
- 具体的に求められるスキル、というとどのようなことがあるでしょうか?
特にインターナショナルの学生についてはアメリカ人の学生に比べて長め、具体的には4年以上の職務経験をもっていると大変望ましいと考えています。現時点では、来年のクラスサイズについては今年よりも少し大きくして135人、うちインターナショナルの学生については55人程度に入学してもらえればと考えています。特にスキルという面では対人関係スキル(Interpersonal Skill)を重要視します。これは、自分の経験や考えをクラスメートに伝えていく上では欠かせないスキルです。もちろん英語力、特に自分の意思を伝える力は重要です。もし、学生が、アメリカで就職することを考えている場合、この点は特に重要です。英語力、といっても単純にTOEFLの高得点を求めているわけではなく、対人関係スキルを最大限に発揮するために必要な英語力が求められていると考えてください。もちろん、英語力についてはESL(English as a Second Language)のクラスを活用するなど、イリノイ大学らならではのアカデミックリソースを使ってそれをサポートするような仕組も用意してあります。
- 選考過程で特別に重視する内容はあるでしょうか?
先ほども話した対人関係スキル(Interpersonal Skill)や英語でのコミュニケーション力を見るためにも、専攻課程においては特にインタビューに重点をおいています。昨年から通常のインタビュー(Behavioral Interview)に加えてケースインタビュー(Case Interview)も実施しています。この2つのインタビューを組み合わせることで、これまでの自己の経験をどのようにして伝えていくことができるか、またより戦略的思考をもって物事を判断することができるか、といったことを見ていきます。インタビューについてはOn-Campusが基本です。時間や費用のためにやむを得ない場合についてはSkypeを用いたビデオインタビューも実施していますが、やはりこちらにきてインタビューを受けることをおすすめします。理由はイリノイMBAのもつ豊富なリソースに触れてもらう最良の機会がクラスビジット、キャンパスビジットであり、Web等で得られる情報に加え、学校の雰囲気やライフスタイルなどの情報を自分の目で確かめることが出来る機会になるからです。
就職活動のサポートは?
- 就職活動のサポートについてもう少し詳しく教えてください。
まず一つ目にはキャリアアドバイザーという形で、各学生にひとりアドバイザをアサインして様々なアドバイスを送っています。特に情報収集については様々なリソースを使って学生に情報を提供していきます。インターナショナルの学生については、特に多国籍企業での活躍が想定されることから、Global Linkというシステムを用いて情報収集を実施したり、Alumni Networkを活用して世界中の国から情報を収集して、学生のニーズにあった情報をタイムリーに提供したりしています。また、今年よりキャリアサービスをMBAだけではなくCollege of Business全体で統合して、より提供できる選択肢を広げるようにしています。ただMBAだけの求人情報だけではなく、それ以外のバックグラウンドに強みを持つ学生もいることから、会計関連など他の就職に関する情報を提供できるところは大きな強み、といえるでしょう。もちろんインターナショナルの学生に対しては、先ほどお話したとおり、ESLのクラスを活用して英語力の向上についてもサポートを実施しています。
まず一つ目にはキャリアアドバイザーという形で、各学生にひとりアドバイザをアサインして様々なアドバイスを送っています。特に情報収集については様々なリソースを使って学生に情報を提供していきます。インターナショナルの学生については、特に多国籍企業での活躍が想定されることから、Global Linkというシステムを用いて情報収集を実施したり、Alumni Networkを活用して世界中の国から情報を収集して、学生のニーズにあった情報をタイムリーに提供したりしています。また、今年よりキャリアサービスをMBAだけではなくCollege of Business全体で統合して、より提供できる選択肢を広げるようにしています。ただMBAだけの求人情報だけではなく、それ以外のバックグラウンドに強みを持つ学生もいることから、会計関連など他の就職に関する情報を提供できるところは大きな強み、といえるでしょう。もちろんインターナショナルの学生に対しては、先ほどお話したとおり、ESLのクラスを活用して英語力の向上についてもサポートを実施しています。
今後のイリノイMBAの展望は?
- 今後のイリノイMBAの展望についてお聞かせください。
現在、MBAの運営を任されているものとして、まずはMBAランキングを向上させることを意識しています。私個人としてはイリノイMBAは市場において過小評価されていると考えています。世界的に見ても優秀な教授達やインターナショナルかつ実践的な学習環境が提供されていると自負していますが、それらのリソースが適切にランキングに反映されているとは考えていません。MBAアドバイザリーボードとの協議の中で、「現実的な目標」として、遅くとも2020年までにトップ20に入るということを目標として掲げています。具体的な施策を既にいくつか実行にうつしています。例えば、以下の3点が挙げられます。
(1) グローバルプロジェクトの充実
イリノイMBAのひとつの強みである多様性を最大限に発揮するためにも、グローバルに学習する機会、それもより実際のビジネスに即した機会を増やしていくことがひとつ重要なポイントだと考えています(Increase opportunities of global experiential learning)。Study Abroadの機会を増やすだけではなく、IBCや通常の授業の中でも実際にこのような経験を積めるようにプログラムの見直しを測っています。
(2)キャリアサービスの充実
キャリアサービスではCollege of Businessのキャリアサービスと統合することで、スケールメリットやさらに多様な機会を提供していくことを考えています。実際、すでに今年からメリットが出始めていると、手応えを感じているところです。さらにはクラスサイズも少し大きくしようと考えているところです。先ほどお話したとおり、現在のクラスサイズ100人に対して来年は35%増の135人(うちインターナショナル55人)を考えています。
(3)MBAのマーケティング活動の開始
これまで、イリノイMBAは他校のように積極的にランキングを上げるためのマーケティングを行ってきませんでしたが、PR会社や、ブランドコンサルタントと連携し、どのようにしてイリノイMBAのブランド価値を向上させ、マーケットにアピールしていくかについても検討しています。
- 最後に、イリノイMBAに興味を持っている日本のみなさんにメッセージをお願いします。
ここでお話ししたとおり、イリノイMBAには様々な魅力があります。時間があればぜひこちらに来ていただいて、その魅力を実感していただきたいと思います。私たちは、もちろんみなさんからの質問や要望などに対して答える用意がありますし、今後のキャリアのために必要なことも含めていろいろな場面で協力していきたいと思っています。ここシャンペーン/アーバナでみなさんにお会いできるのを楽しみにしています。
現在、MBAの運営を任されているものとして、まずはMBAランキングを向上させることを意識しています。私個人としてはイリノイMBAは市場において過小評価されていると考えています。世界的に見ても優秀な教授達やインターナショナルかつ実践的な学習環境が提供されていると自負していますが、それらのリソースが適切にランキングに反映されているとは考えていません。MBAアドバイザリーボードとの協議の中で、「現実的な目標」として、遅くとも2020年までにトップ20に入るということを目標として掲げています。具体的な施策を既にいくつか実行にうつしています。例えば、以下の3点が挙げられます。
(1) グローバルプロジェクトの充実
イリノイMBAのひとつの強みである多様性を最大限に発揮するためにも、グローバルに学習する機会、それもより実際のビジネスに即した機会を増やしていくことがひとつ重要なポイントだと考えています(Increase opportunities of global experiential learning)。Study Abroadの機会を増やすだけではなく、IBCや通常の授業の中でも実際にこのような経験を積めるようにプログラムの見直しを測っています。
(2)キャリアサービスの充実
キャリアサービスではCollege of Businessのキャリアサービスと統合することで、スケールメリットやさらに多様な機会を提供していくことを考えています。実際、すでに今年からメリットが出始めていると、手応えを感じているところです。さらにはクラスサイズも少し大きくしようと考えているところです。先ほどお話したとおり、現在のクラスサイズ100人に対して来年は35%増の135人(うちインターナショナル55人)を考えています。
(3)MBAのマーケティング活動の開始
これまで、イリノイMBAは他校のように積極的にランキングを上げるためのマーケティングを行ってきませんでしたが、PR会社や、ブランドコンサルタントと連携し、どのようにしてイリノイMBAのブランド価値を向上させ、マーケットにアピールしていくかについても検討しています。
- 最後に、イリノイMBAに興味を持っている日本のみなさんにメッセージをお願いします。
ここでお話ししたとおり、イリノイMBAには様々な魅力があります。時間があればぜひこちらに来ていただいて、その魅力を実感していただきたいと思います。私たちは、もちろんみなさんからの質問や要望などに対して答える用意がありますし、今後のキャリアのために必要なことも含めていろいろな場面で協力していきたいと思っています。ここシャンペーン/アーバナでみなさんにお会いできるのを楽しみにしています。
インタビュー:2010年11月16日, 参加者:学長、Class of 2011(3名)